“You are what you eat.”(あなたが食べたものがあなた自身である )
“you are what you think.”(あなたの思考があなた自信である )
私たちはは何によって、自分自身としていられるのでしょうか?私たちは何によってできているのでしょうか?
それは肉体と精神の2つであるといえます。
肉体は今まで食べてきたモノの栄養からできていて、精神は今まで考えてきた事によってできています。
栄養に問題のある食事、心が荒む考え方では健康を保てない。こんなことは誰もが言われなくても理解しています。しかし、食べ物を前にして「これは未来の私の身体だ」と思う人はどれだけいるでしょうか?また、何を今考えていて、それは健康にプラスのことかマイナスになるのか。なんて思うことはあるでしょうか?
食べること、考えることに改めて思いを馳せてみましょう。
食べ物=未来の身体
大地から吸収した栄養素と太陽のエネルギーを取り入れ成長する植物。木の実などを700万年のほとんどを生食し人類は生き延びてきました。その過程で肉食もしてきて飢えをしのぎ、火を使うようになってから加熱して食べる種類も増えてきました。
この様にサルからヒトへと進化する中で色々なものを食べるようになってきました。それだけ人間は沢山の種類の食べ物から身体ができています。パンダのように笹の葉だけ、コアラのようにユーカリの葉だけと1品だけで摂取する栄養では身体を構成できないのです。
そのことから食事は積極的に米(玄米だとなお良し)、野菜、大豆、いも、きのこ、海藻、魚、発酵食品などバランス良く食べ、さらに肉や卵も食べるべきです。しかし、くれぐれも高血糖にはならないように注意しましょう。
逆に制限したいのが添加物の多い加工食品、乳製品、オメガ6系の植物油、大量の砂糖を含むもの、カフェイン、精製された小麦食品があげられます。これらは高GI(血糖値を急に上げる)な食品が多く、活性酸素を発生させ炎症を引き起こします。そして交感神経が緊張する体内環境を作り自律神経のバランスが乱れます。
今、この文章を読まれている方は何となくすでに理解しているかと思いますが、実際は上記の積極的に食べるべきものより制限したいものをついつい日常的に摂取してはいませんか?
食べ物を見たら「未来の身体」と思い直し、どれを食べるか選びましょう。
また、食べ物は脳=心にも影響を与えます。それは何となく分かっているかもしれませんが、具体的にどういうことかといいますと、糖やタンパク質、脂質を摂取しても、それを分解する食物酵素も摂取しないと体内で生産される酵素を使わなくてはならないくなります。体内の酵素には限りがあり、使えばそれだけ不足します。それ故に脳の思考力が低下すると考えられます。
食物酵素を取らなくてはならない理由がここにありますが、食物酵素は50℃で死滅します。焼く、煮る、揚げる、炒めるなど加熱料理ばかりでは体内酵素を消耗することになります。
食物酵素を効率よくとるのにおススメはフルーツ、生野菜、納豆、大根おろしなどがあります。結果、脳の機能も正常になり、心の安定が得られることでしょう。
考えることは生命を左右する
東洋医学には「心身一如」、仏教には「色心不二」という言葉があります。よく聞く言葉に「病は気から」というものもあります。この言葉からいえることは心を体は一体であるということであり、かつては心と体は切り離せないものであると考えられていました。
しかし現在は心と体は別なものという風潮がありますが、心の悩みなどの精神的ストレスで胃潰瘍になったり、過労のため肉体的に負担をかけ続けて、うつ病になる人もいます。「心身一如」、やはり心と体は一体であるという身体感は正しいでしょう。
これを裏づける研究があり、分子生物学者である筑波大学名誉教授の村上 和雄 先生によれば細胞内に存在する「病気を治す遺伝子」が心の影響を受けるとのことで、プラスの感情は病気を治す遺伝子がONになり、細胞の回復が始まり、マイナスの感情は遺伝子がOFFになり病気が発症します。
自律神経の観点からも心=脳が気持ちいい(快)と感じると副交感神経が、気持ち悪い(不快)とかんじると交感神経が優位になります。この快・不快が呼吸や血流、痛み、脳波にまで影響します。
人は絶えず思考が波のように起こります。試しに今、注目を浴びている感がある瞑想をしてみてください。五感をシャットアウトし、目をつぶり坐って静かにし続けている間に色々な雑念が波のように押し寄せてくることでしょう。この内なる現象を”thought wave”(思考の波)といいます。絶えず脳が、私たちに向けておしゃべりしているのです。
普段は五感が働いていますから、それを通して私たちには色々な情報が入ってきます。そして、それに対して新しい思考が生まれます。今浮かんだ考え方、心の持ち方は先ほどの、私たちの遺伝子や自律神経にも影響を与えるのです。今の思考がストレスとなり人生に直撃すれば、つまり、これは自分の生命のことと考えずに悩むことになります。仏教的にいえば「煩悩」というものです。
この内なる出来事である思考が命を削るなんて思いもよらないことです。逆にプラスの感情に導く思考では長寿につながります。ではどうすれば私たちの思考は命を生き永らえさせてくれるのでしょうか?よく聞かされる平凡な答えになるでしょうが、①前向きな心 ②愚痴をいわない ③感謝の気持ち の心に立てる3本の御柱をあげたいと思います。
ここで、心に立てる3本の御柱の具体例をあげましょう。
食堂に務めている方が水の加減を間違い固いご飯になって、それをお客に出してしまい「この店はこんな固い飯にいっちょ前のお金とるのか!」とクレームを付けられたそうです。
悪いのはこちらでお客さんが怒るのは正当だと思うが、あそこまで罵詈雑言を並べなくてもいいんじゃないかと思っていました。相手の言い方が度を越している場合はどう対応すればいいのか?このモヤモヤをどう解消すればいいか?と、とある人に相談してみたところ、その答えは…
それはクレームじゃないよ。あなたは罵詈雑言で傷ついたと思ってるけど、それが一生の宝になるくらいに次から気を付けなさい。その人はあなたを導いてくれる観音様だ。家庭の奥さんがご飯を間違うのと違いプロがご飯を間違えるのは通らない。だから、ありがたく聞いた方がいいよ。2度と起こさなければいいんだから、いつかありがたく思える日が来ると思うよ。
という内容でした。要するに受け取り方に問題があるということですね。この答えには、前向きになって、愚痴を言いたくなる事を感謝の事柄へと昇華していこうよ(心に3本の御柱を立てようよ)と語りかけています。
人生なんて嫌なことの連続、泥の中に住んでいるようなものです。それでも泥むことなく心の在り方を改善されなければならないということです。それは静かな心、寛容な、感謝と喜びに満ちた心。泥の中にいながら咲く蓮の花です。
食べ物と心持ちが自分を決める
初めにも述べましたが、私たちは肉体と精神からなっています。
食べ物と心持ちが自分の肉体と精神を決めます。
人生は波風が付き物です。良い食べ物と良い心持ちからなる肉体と精神でこの波風を乗り切りましょう。